真夜中の相談屋敷

【相談10】最後を告げる花火 /その 3

窓から家の中の灯りが漏れているから、葉月はきっと手紙を探しているだろう。

私は今、家のドアの前で立ち尽くしている。

ここからお祭りが行われている沿道までの距離は遠いのだが、花火の音はちゃんとここまで聞こえている。

今は何時なんだろう。

早く探さないと…。




“愛しているんだ……。お前を、誰よりも…。”




修造さんに言われた言葉を思い出した。

思い出すというより、その言葉や光景が頭から離れない。

離れてくれない。

あの後私は掴まれている手を力いっぱい振りほどき、そのまま神社を抜けて沿道を走り始めた。

沿道の人混みの中で走るのは少し危なかったが、私はそんなことお構いなしに走り続けた。


…おばあちゃんに言わないといけない言葉を、私に言ってほしくなかった…。


握っている拳に力が入る。




…だけど…、言ってほしくなかった理由は…。











言ってほしくなかった理由…、

そしてあの……、




……。





嫌だった。






理由はきっと、それじゃない。









理由は……、















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