真夜中の相談屋敷

【雑談】各章番外編 /師弟誕生? -舞side-

深夜2時。

カラオケに来て一体何時間が経ったのだろう。

『ありがとうごさいました!』

TASUK☆Uさんは満足したのか、笑顔でそう言って成仏した。

ずっと立って歌っていた…というより、歌わされていたあきは、TASUK☆Uさんが身体から出るなり床に座り込んだ。

「あき大丈夫?」

「……」

…うん。

疲れ果てて声が出ないみたいだ。

本当お疲れ様です。

「…水飲む?」

私がそう聞くとあきはコクリとうなづいた。

「よし、なら帰るか」

そんな時月斗が、終わった〜?と、笑顔でカラオケルームに戻ってきた。

「もう帰るぞ」

「………ふ〜ん…」

月斗は座っているあきに目を向ける。

するとその途端に、何かを思いついたように不敵な笑みを浮かべた。

「倉重くんって、実際音痴なの?」

…単刀直入に!?

もし本当にあきが音痴だったらどうするんだ。

「……」

あきは何も答えない。

「さっきまでの歌クッッッッソ音痴やったで、みんな倉重くんが音痴や思とるんちゃう?」

…あー…。やめてやめて…。

嫌な予感しかしない。

「この際やから!みんなの誤解を解くために“倉重くん自身”で歌ってみたら?」

「……」

もう1回言うけど、もし本当にあきが音痴だったらどうするんだ。

耳がもう限界。

「……分かった…。さっきTASUK☆Uさんが歌ってた曲でいい?僕あんまり最近の曲知らないから」

…歌うの!?

「誤解は嫌だし…」


いや本当にあきが音痴だったらどうするの!?

あきのメンタル崩れるよきっと!

自滅するの!?


そして曲が流れる。

…うぅ…。

イントロが終わり、あきは歌い出した。


…え…?


そして歌い終わる。

あきは歌い終わるとひとつため息をついた。

「……」

歌い終わったが私達が何も言わないため、あきは少しだけ恥ずかしがっている。



音痴ではない…。



格別上手いってわけでもない…。





…ふ、普通〜……。




どう感想を言ったらいいの。

普通が一番反応しづらい。



月斗は舌打ちをしてあきを睨んだ。


「音痴やったら音痴でイジれるし、ごっつ上手いんやったら褒めたったわ!でもな、普通が一番反応しづらいねん!」

「う…」

「そこはもっとボケろや!わざとでもええでボケろや!凡人やめろや!!」

「うぅ……」

「スベること覚悟でボケてみろや!まぁ、俺がそのボケ拾ったるけど!」

拾うということはツッコミを入れるということだろうか。

何はともあれ…、



なんか月斗に変なスイッチが入った!?



「…っ、僕を弟子にしてください!師匠!」

…はい!?

「ボケを極めたいんです!」

…極める必要あります!?

「いや…、俺は弟子をとらへん主義やねん」

…ナニコレナニコレ!?

「そこをなんとか!僕は一流のボケ職人になりたいんです!」

…ボケ職人てなに!?

「そうか……。なら仕方あらへんな」

…主義弱いな!

「俺の修行はツラいで!?それでも耐えられるんかぁ!?」

…仙人かあんたは!

「耐えれます!耐えてみせますとも!」

…あきさん戻ってきて!

「…よし、なら漫才てっぺん目指すぞ!」

…目指さなくていいし!

「はい!」

…なんの茶番劇が始まったのコレ!?

「こうして、第2寮組の師弟物語が始ま…」

「始まらないから!始まらせてたまるかぁ!」

葉月の変なナレーションを止める。

「しかし!目の前に立ちふさがる困難!ふたりは乗り越えられるのか!?次回へ続…」

「続くかぁ!!続かせてたまるかぁぁ!!」

瀧の次回予告みたいなナレーションも止める。



「あんた達その深夜テンションやめろーー!!」





私はマイクを手にとって叫び、なんとか師弟誕生を阻止した。





【相談6】雑談〜終〜

0
  • しおりをはさむ
  • 8
  • 20
/ 460ページ
このページを編集する