真夜中の相談屋敷

【雑談】各章番外編 /御曹司(?)の力 -葉月side-

気は進まないが『ドルチェ』の面接に来た。

バックヤードで椅子に座り、店長との一対一の面接だ。

「河瀬 葉月。高2です」

「かわせ………?」

俺の名前を言うなり、店長は俺の苗字を確認している。

店長は思ってたよりも若く、従業員と同じくホストみたいなスーツを着ている。

「まさかとは思うけど…、キミのお父さんの名前って良光さんかい?」

「あ、はい」

「あ、はい!?え!?」

父さんの名前を出すなりいきなり店長は驚き出した。

「キミのお父さん、『河瀬製粉株式会社』の代表取締役社長なんじゃ…」

「あ、はい」

「あ、はい!?軽いっ!返事が軽すぎる!」

店長はだいぶ驚いている。

「ここの店の製粉はキミのお父さんの会社から仕入れているんだよ!?」

「あぁ…。そうなんですか」

意外な事実。

「いつも御世話になっております…」

店長は俺に対して頭を深く下げる。

やめてほしい。

「…っじゃなくて!!ならキミは社長の息子なんだろ!?」

「……あ、はい」

「キミ御曹司じゃないか!なんでバイトなんかするんだい!?」

なんだ御曹司って。

おおげさな言い方…。

「いや、父が死んで収入源がなくなったので俺が働こうかなと…」

「…あ、そうだったね。良光さんは亡くなってしまったんだね。悪いことを聞いた」

父さんが亡くなった後、会社から社長死去のことと、新代表が決まったことの連絡があったそうだ。

すぐに新代表が決まったためなんとか経営は持ちこたえた。

「てゆーか…、キミ御曹司ならお父さんの跡継ぎだよね?新代表になるのキミだよね?」

「俺まだ高校生だし、そんなの無理に決まってるじゃないですか」

「いやでも…」

「それに俺は高校生活をちゃんとおくりたいんです」

「いや…」

「だいたい御曹司なんていう言葉に甘えたくないんですよ。俺は」

「う…」

「自分の将来のことは自分で見つけたいんですよ。与えられているだけじゃダメなんですよ」

「うぅ……」

「第一、俺は会社のことなんてなにひとつ知りません。会社の従業員の方の方が会社のことをよく知っています」

「うぅぅ……」

「ですから、会社の方が新代表になってくださって良かったです」

「うぅぅぅ……………」

「つーわけで、働かせてください」

「わ、分っかりましたーーーー!」




【相談8】雑談〜終〜

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