真夜中の相談屋敷

いつの間にかトイレの前に着いていた。

「さて、着いたはいいけど…」

私達はトイレには入らず入口に立っていた。

「…よし、あき。Go」

「えっ!?」

ここは仮にも女子トイレだから、誰がトイレに入るか話し合っていたのだ。

「な、な!なんで僕!?」

「舞を行かせんの?まだ舞は『相談屋』に入ったばっかだぞ?」

「そーだよー。まいまいは新人さんだよー?」

「ちょっと待って!私まだ入ってもないし!そもそも入るなんて一言も言ってないから!」

葉月と瀧の言葉に訂正を加えた。

「え、入んないの?見えるのに?」

「それとこれとは話が別だし!」

「…入らないのか」

葉月はつまらなさそうな顔をして、またあきに目を向けた。

「だ、だって僕、男だよ!?」

「でも舞が可愛い…」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

私は大声を出し葉月の口をふさいだ。

「ムグッ…!」

…なななっ、何を言い出すのよ!?

葉月は私の手を払った。

「とにかく、誰かが行かねーと!」

「う…。分かった……よ…」

あきはしぶしぶトイレに入ろうとする。

「……待って」

「…?」

私はトイレに入ろうとするあきに声をかけて止めた。

「私も行く」

「え?いいよ小野寺さん。僕が…」

「女子トイレに男子がひとりで入るなんて、想像しただけでなんかヤダ」

「僕の意思じゃないんだけどな…」

「変質者になりたいの?」

「なんで僕の無傷な心をエグるように言うの」

『ママ?』

「葉月達と待っててね。すぐ戻るから」

男の子の幽霊を安心させるために笑顔で言い、男の子の幽霊は少しの間黙っていたがすぐ笑顔になってうなづいた。

私は安心し、あきとふたりでトイレに入った。


0
  • しおりをはさむ
  • 9
  • 20
/ 460ページ
このページを編集する