真夜中の相談屋敷

『ま、別に?私が世界一、花子という名がふさわしいということは知ってましたしぃ…』

花子さんは得意顔で言っている。

…僕そこまで言ってないんだけどな…。

僕は少しだけ苦笑いをしながら、人差し指に髪を巻きつけている花子さんを見ていた。

『あきさんが可愛いというなら?まぁ、私は花子のままで構いませんことよ?』

……。



「…ははっ」

『なっ!?なぜ笑うのかしら!』

思わず笑ってしまったことに花子さんはムスッとしている。

「なんでもないよ」

『むぅ……』

お化けでも人間味がある意地っ張りな女の子。


きっとそれが…、トイレの花子さんなんだ。








「また相談があれば『相談屋』に来なよ。僕、待ってるから」

トイレから数メートル離れた所で、僕は花子さんに手を振った。

『そこまで言うなら行ってあげてもよくてよ』

花子さんはトイレの前で見送りをしてくれている。

「あ、あと僕のこと、あきでいいから。呼び捨てでいいよ」

『え…?』

「またね、おやすみ」

僕はそう言って廊下を歩き出した。







『えぇ、おやすみなさい……。あき…』






0
  • しおりをはさむ
  • 9
  • 20
/ 460ページ
このページを編集する