真夜中の相談屋敷

【相談3】口裂け女の恋愛事情 /その 1

「…暑い…。溶けそう…」

7月真っ只中。

蝉の鳴き声が響き渡る教室で今、1時限目の授業を受けている。

1時限目は化学だ。

イオンとか科学元素とか、よく分からない言葉が飛び交っている。

私は頬杖をつきながら適当に聞き流していた。

このクソ暑い中勉強に集中なんてできない。

…まぁ、窓際の席というのが幸いかな。少しだけ風入ってくるし。

『ママ!ボク、花子さんのとこ行ってくるー』

「んー、行ってらっしゃい。迷惑かけないようにねー」

私は小声でユウに話しかけた。

『はーい!』

元気良く返事をしたユウは、ふわふわと教室を出て行った。

ユウは朝から花子さんと遊ぶとウキウキしていた。

花子さん、ユウと遊んでくれればいいけど。


花子さんの相談に乗った次の日の火曜日に、あきは花子さんに会いに行ったそうだ。

…恋か…。

花子さんはきっとあきに……と言っても、本当にそうなのかは知らないけど。


夏は恋の季節とか言うけど…、

…お化けも恋とかするんだ…。


私がそう考えながらあくびをしていると、肘に何かが当たる感触がおぼろげながらも感じられた。

…ん?

肘に当たって机の上に落ちたのか、机の上に見覚えのない小さな紙があった。

きっと葉月からまわってきた手紙だろう。


《集中しろよ。バカ》

…む…。

手紙に書かれたその文字を見た後、私は葉月を横目でチラッと見た。

葉月は眠気を必死に堪えノートをとっている。

…お母さんかっ。



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