真夜中の相談屋敷 2

【相談5】恋する乙女の残夢 /その 2

数分前。

「…で、莉央がドタキャンしたことがきっかけで、ちょっといざこざになってるの」

4時限目が終わった直後、私とあきとユウは、葉月を連れて廊下に出た。

廊下に出たのは、これから葉月に伝える作戦を、教室に居る莉央と月斗に聞かれないようにするためだ。

「あいつら仲良かったのか。まったく関わりがないと思ってた…」

3人の事情をある程度知った葉月は、チラッと教室に居る莉央に目を向ける。

「つまり、椎名がドタキャンした理由を俺が聞き出せばいいってわけ?」

「Yes。さすが葉月。話が早い」

「…?どうやって?つーかなんで俺?」

私は作戦を立てた経緯を伝えるために、得意気な表情で人差し指を立てた。

「私がドタキャンしたことを聞き出そうとすると、きっと莉央の気持ちは張り詰めちゃって、言ってくれないと思うの」

「はぁ…」

「だけど、張り詰めさせずに逆に気持ちを気楽な状態にさせたら、言ってくれるんじゃないかと思いまして!だから葉月を投入するの!」

「なんで俺を投入したら気楽になるんだよ…」

しかめた表情の葉月に、私は立てていた人差し指を向けた。

「と、いうわけで!莉央とふたりっきりでお弁当を食べて、その時に聞き出して!」

母の対応力で!

「……はぁ!?ふたりって!絶対気まずくなるだろ!つーか恥ずい!」

「まぁまぁ」

私は葉月の背中を押して教室に入れた。

「お願いね…」

私は笑みを浮かべ、表情を引きつらせている葉月に手を振った。


「…名付けて、“いい兄、いい母、いい相談。ドッキドキ?ふたりっきりの相談室!作戦”…」

「長…」


私が作戦名を言うと、あきは呆れたようにボソッとそう呟いた。






そして、今に至る。



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