真夜中の相談屋敷 2

【相談6】わがままな坊っちゃま /その 3

「どうしよう…!どうしよう、あき…!」

「だ、だから何が…?」

あきに泣きついているものの、私はあきに今までの詳しい経緯を話していない。

故にあきは何のことだか分からず、困惑顔で首を傾げることしか対応ができていなかった。

「デッサン人形返却に…仲直りに…ファッションショーに…!ダメだもうてんてこまいだ!」

『ママ〜…大丈夫…?』

「ちょっと大丈夫じゃないかも…!」

『ふぇ…』

「……」

あきは自分の肩に置かれている私の手を黙って掴んだ。

「えっ、あのっ?」

「来て」

「えっ?」

「ユウもおいで」

『ふぇ?』

呼ばれたユウと、あきに引っ張られる私は、ステージ裏の奥へと連れて行かれた。

そこはステージ上の光が行き届いておらず、とても薄暗かった。

「小野寺さんも、何かの問題に追い込まれると頭が回らなくなるよね」

あきはそう言いながら、畳んで並ばせてあるパイプ椅子を一脚手に取ってそれを広げた。

あきはポンッと私の両肩を押して、広げたパイプ椅子に私を座らせた。

「…なんで私は椅子に座らされたの?」

「はい、深呼吸」

「は?」

「深呼吸してってば」

私はあきに言われた通り、しぶしぶといったような感じで深呼吸をした。

ユウも私のマネをして深呼吸をした。

「…はい、深呼吸した」

『ボクもっ』

あきはひとつため息をつくと腰に手を当て、クスッと笑った。

「人って一緒に住んでると似るんだね」

「一緒に…。それは葉月と私のこと?」

「うん。小野寺さんが葉月に似たのか、葉月が小野寺さんに似たのか…。どっちもどっちかな」

あきはまたクスッと笑った。

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