真夜中の相談屋敷 2

【相談6】わがままな坊っちゃま /おまけ -あきside-

西の空が赤く染まっていて綺麗だ。

心地良い秋風が肌を撫でる。

僕は屋上のフェンスに背もたれをして座り込んでいた。

背中側は断崖絶壁だということを頭に置きながら、ぼーっと空を眺めていた。

いわし雲がゆっくりと空を流れていく。

「当日になってモデル役のこと伝えるとか…、最悪だよ…まったく…」

僕は深いため息をついた。

もっと早くに伝えてくれたら出る心構えができたのに。と思ったが、伝えられたら伝えられたで僕はモデル役自体を断っていただろう。

当日になって伝えたのは僕に断られないための、高坂くんの計画的犯行だったのかもしれない。

「やっぱり高坂くんにはいじわるな仕返しをしよう。眠れなくなるくらいの怖い話を聞かせてやる…」

そう意気込んで僕はもう一度ため息をついた。

…小野寺さんも、当日に伝えられて大変だっただろうに…。

と言っても、決めポーズのことをすっかり伝え忘れていた僕が悪いから、大変になったのは半分僕のせいだ。

だから、小野寺さんの“決めポーズ”で僕が犠牲になったとしても、どっちもどっちのお互い様で、僕が小野寺さんを責めることはできない。

僕はゴロンと仰向けに寝転がった。

そしてそっと目をつむる。

「……髪、結んでた…」

小野寺さんが髪を結んでいるところを見るのは今日で二度目だ。

一度目は男女合同バレーボールをした体育の時。

その時も今日も僕は、やっぱり小野寺さんは髪を下ろしてた方が似合う。と思った。

だけど、そんな個人的な意見を本人には言えなかった。

…小野寺さんは髪を下ろしてた方が絶対似合うのに…。………って、


まただ。

また、僕は小野寺さんのことを考えてた。

また、小野寺さんの顔が僕の頭の中をチラついた。

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