真夜中の相談屋敷 2

【相談2】懐中時計 /その 2

放課後。

部活や帰宅で教室を出て行く生徒を、私は自分の席に座って見ていた。

あきは自分の席におり、葉月は一度家に帰って弁当を洗ったり、家事を済ませたりしている。

ユウは例によっていつもみたいに花子さんの所だ。

「小野寺さん。これから部活ですか?」

まだ数人教室に残っており、その中には莉央も居た。

これから帰るのか、鞄を肩にかけて私の机の前に立っている。

手にはおなじみの携帯を持っていた。

「部活っていうか…。ちょっと席替えのくじ引き作りをするの。小池先生に頼まれたから」

「席替え…」

「隣の席になれるといいね。月斗と」

ニヤニヤしながら莉央を見上げ、他人に聞こえないように小声で言った。

「好きな人と隣になったら、その学期って楽しくなるよね!」

「…あの頃なら、そう思ったかもしれません」

「あの頃…?」

「……あ、いえ、独り言です」

莉央はまた、あの女子会の時に見せた寂しそうな表情をしている。

「小野寺さんも倉重くんの隣になれるといいですね」

「なぜにあき!?」

寂しそうな表情から一変し、今度は目を輝かせている。

無表情は相変わらずだが、最近莉央の表情の変化が少し分かってきた。

「河瀬くんとは前期に隣でしたし、それに家でずっと一緒に居るので、もう倉重くんしか残ってないじゃないですか」

「何の選択肢なの!?」

「最近個人的に、小野寺さんの矢印が倉重くんに向けばいいと思えてきました」

私の矢印とは女子会での関係図だ。

当時の莉央が考えた矢印は、私の心が揺れ動いているような形だった。

けれど今は瀧が考えた関係図で、且つ私の矢印が逆になればいいと思っているみたいだ。

つまりあきと両想い。



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