真夜中の相談屋敷 2

【相談2】懐中時計 /おまけ -宮本side-

あきくん達が教室から出て行った後、俺は窓にもたれかかりながら葉月を睨んだ。

その窓は、座っている葉月から見てちょうど正面にある。

葉月は何か作業をしているが、俺に睨まれた途端その手を止める。

「…ったく、俺が居ない間に、あのふたりに俺のことバラそうとしやがって。このクソ葉月」

「…悪い。つい…」

「つい、で済ますなこの野郎」

「謝ってるだろ。本当…俺の前だけ毒舌だよなお前。不思議ちゃんと全然違うから、この俺ですらビックリなんだけど」

「しゃらっぷ」

「…黙れってことか」


男の娘、天然、不思議ちゃん。

こんな姿、好きでやっているわけじゃない。


「…何か理由があったんだろう?言い出したきっかけが…」

「……まぁ…な」


声帯を男の声に戻し、ポニーテールを下の方で結び直して襟から服の中に入れる。

長い髪を隠すためだ。

これなら少しでも男に見える。

…ま、この姿は葉月の前だけだけど。

葉月と一対一で話す時は“こっちの姿”の方が話がしやすい。

「…舞に、『相談屋』の結成理由を聞かれた」

「理由…」

「どうしても…、“瀧”のことしか浮かばなかった。仕方がなかったんだ…」

葉月はそう言うと左耳のピアスの穴に触れる。

「…まぁ、『相談屋』の結成理由には必ず“瀧”が関係してくるからな…」

「……」

葉月にとって『相談屋』は、いろいろ複雑な事情でできているから仕方のないことだろう。

「…ったく…。今回は大目に見てやる」

けれど今回のことがきっかけで、あのふたりは俺の“男の娘”としての不自然さを改めて考え始めるだろう。

一度あのふたりにも俺自身のことを、つまり葉月の前での姿を少しさらけ出すか…。

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