真夜中の相談屋敷 3

【余談】少年から少女へ /その 3

* * *

いつの間にかシャワーの水がお湯になっていて、温かさが身体を包んでいた。

蛇口を捻りシャワーを止めると、俺は湯気と共に浴室から出る。

脱衣所で水気をタオルで拭い、拭い終わると服を着る。スボンは履いても上着は着ない。

昔から、風呂に入った後は暑いから上着を羽織いたくなかった。ある程度冷えてから着るのが俺の癖だ。

けれど、それも今は家ではできない。だからせめて葉月の家ではそうする。

濡れた髪にタオルを当てていると、電話が鳴り響いた。俺しか電話に出れる者はいないので、音のする方まで行って、受話器を取る。


「はい」


電話をかけてきた主は舞ちゃんだった。


「も、もしもし〜まいまい〜!」


慌てて俺は咳払いをして、瀧の真似をする。彼女は俺が男だということは知っているが、俺自身は知らない。

たまに彼女やあきくんの前で俺自身に戻ってしまうことがある。それでも、できるだけ俺は瀧を装う。


「今日泊まっていくから。葉月に伝えておいてくれないかな」

「あー…うん、葉月ね。分かったよ〜」

「葉月、どうかしたの?」

「なんでもな〜い。じゃあね〜」


そうして俺は一方的に電話を切り、受話器を置いた。

葉月の部屋に向かいながら、再び思い出す過去。


「そう、葉月だ。葉月が現れてから、全てがおかしくなっていったんだ……」


* * *

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