好 き の 内 側 を 見 せ て 。

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梅雨明け、夏真っ盛り。



「 暑い 」

「 あつい 」

「 暑いなー 」



クーラーの効いた部屋でごはん待ちの時間。今日は那加が昇進のお祝いにとごちそうを作ってくれている。キッチンに来ないでね!と釘を刺されたので俺はひとりソファーで呟いている。



「 余計暑くなりません? 」

「 だって暑い 」



呟いているつもりなのに、構ってもらえない寂しさからかつい声が大きくなっていたようで真っ当な意見を浴びる羽目になった。



その辺にあった雑誌でパタパタと顔のあたりを扇ぐと少しは涼しい気がするけど手もだるいし、疲れる。那加にはそんな姿会社では想像できませんね、とよく呆れられるが会社は会社で家は家。会社の人間は俺のことをなんだと思っているのか。



ふう、と扇ぐのやめて放った机に雑誌が開いて乗った。夏なんだからしょうが無い、とそういうところは現実肌な那加に駄々をこねる。



「 那加の浴衣見たい 」

「 はい? 」

「 正しい夏の過ごし方じゃない? 」


ちょうど開いたそのページは、夏の花火特集。浴衣の那加とデートがしたい、その一心で暑さは飛んでいった。







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