好 き の 内 側 を 見 せ て 。

20








残業の続いた1週間。土曜にあるプレゼンが終わればそれともしばらくおさらば。我が営業部のエースは早々に資料をまとめ昨日から練習を始め、残業をしなくてもよいように準備をしていた。




「 じゃ、おさき 」

「 おー 」



パソコンを閉じて、携帯を開いて誰かにメッセージを送る。わざわざ誰に送ってんの?なんて聞いたことは1度もないけどその緩み切った表情から奥さんの那加ちゃんに送っているんだろうということは大いに予想がつく。というか、間違いない。




最近昇格し、社内では内緒にしていた夫婦であるという情報を解禁してから御影人気は落ちるかと密かに囁かれていたがむしろ素敵!と女性社員のハートを射止め、現在もエースでありヒーローは健在である。




昔はあんなやつじゃなかった。と、いってもそんなに御影の昔を知っているわけでもなくここに入ってからの同期兼友人としての昔だけど兎に角告白は全て断る、連絡取るのが面倒になった、合コンは完全に頭数合わせ、こんなふうに頬を緩めているところなんてほとんど見た事がなかった。




「 結婚ってそんなにいいもんか? 」

「 ああ 」



オフレコで、と伝えられた結婚。相手は広報部の後輩那加ちゃんで、付き合っていることも知っていたのでさほど驚きもせずだったが一応お祝いということでごはんを奢った時に聞いたその一言が印象的だった。







0
  • しおりをはさむ
  • 211
  • 40
/ 174ページ
このページを編集する