好 き の 内 側 を 見 せ て 。

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広報課の子がやってきた。
みおちゃん、と言ったか那加が可愛がっている後輩だった。那加は今日公休を取っているのでひさしぶりに高校の時の同級生と会っているはずだ。




「 御影さん、これ頼まれたのです 」

「 ありがとう 」

「 あ、これ 」

「え? 」

「 もしかしてミルク2個ですか? 」




その子が指さしていたのはマグカップ。
営業部の部長から貰った那加とペアの職場用のマグカップには注がれたばかりのコーヒーがまだたっぷり入っていた。




なんで分かったの?と多分顔に書いてあったんだろう。笑いながら、そして少し羨ましそうにその子は言った。




「 那加先輩と同じ 」

「 あ 」




言われてすぐに気がついた。
そうだ、これは那加の飲み方だ。
家でコーヒー飲みたいな、と那加が言う時に入れてあげるその少しミルクの多いその飲み方。




「 夫婦は似るって本当なんですね 」




くすっと笑われて、自分でもおかしくなった。そう思えばそうだ、コーヒーの飲み方も、資料に貼る付箋も、口ずさむ鼻歌も、数えればキリがないほどに。



おいしいごはん作って待ってるね、お昼に入っていたメッセージ。今日は定時に上がろう。そしてこんなこと言われたよって報告して、他はなにが似てきたかふたりで笑いながら那加のごはんを食べよう。








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