好 き の 内 側 を 見 せ て 。

25







これから帰る、のメッセージに既読の2文字がつかなくてなんとなくソワソワしながら帰ったその日。




寝るには早いはず、と鍵を開けると飛び込んできたのはもちろん那加で。どうした?と聞くよりも早く俺の腕の中で泣き出した奥さんにただただ戸惑う。




うわーん、と子どものように泣き出して止まらなくなったらしい那加は俺の背中に回った手に力を込めている。




「 どうした? 」

「 どっか痛い? 」

「 なんかあった? 」




なにを聞いても首を横に振り、とりあえずと玄関から進んでリビングに入ると泣いている理由はすぐに分かったので安心したと同時に安堵の息が漏れた。




俺は探偵でも刑事でもなんでもないただの普通のサラリーマンだけど、那加の考えることは大概わかる。きっと泣いて泣いて、ちょうどいいところに俺が帰ってきたんだろう。







0
  • しおりをはさむ
  • 211
  • 40
/ 174ページ
このページを編集する