好 き の 内 側 を 見 せ て 。

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世間は10連休と騒がれていて、うちの奥さんもそのうちのひとり。
友だちと買い物に行く、そう言っていたなと思いながら家に帰るひとりの道。




「 ただいまー 」




あかりは点いているが返事はない。那加、と名前を呼んでみる。どうやらお風呂掃除をしていたらしい奥さんは腕まくりしていたらしいパーカーの袖を戻しながら「 おかえり 」と言った。





「 ねえ、 」


「 、なに? 」


「 それどうしたの? 」


「 、え?あっこれ…… 」




変かな…、と前髪を抑えて隠そうとする奥さんはなんとも言えず可愛くて。




「 可愛いじゃん 、子どもみたいで 」


「 ありがと、ってそれ褒めてくれてるの? 」


「 さあねー? 」





わざと意地悪を言うといいもん、とごはんの用意に取り掛かった那加。髪は長いまま、前髪以外に変わったところはなさそう。付き合ったばかりの頃のようでちょっとくすぐったい気持ち。









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