好 き の 内 側 を 見 せ て 。

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那加が仕事を休む、と電話を掛けてきた。なんだか最近調子が良くなさそうなそんな素振りで、出張から帰ったら病院にでも連れていこうかと思っていた矢先だった。




大丈夫、がもはや口癖レベル。
俺が心配してちょうどいいと思っているので、その心配しないでを無理と突っぱねておいた。なるべく早く帰ろう、と頭の中で仕事の算段を立てながら。




急いで帰った2週間ぶりの我が家は那加の香り。正しく香りの先に那加がいるような、そんな感覚。




「 おかえりなさい 」






笑顔で微笑む奥さんの体調は今日は良さそうだ。その感覚はどうやら当たりだったらしく、もうすぐ出来るよと那加が指さしたオーブンの先には先日の電話で食べたいと言っていたグラタンが入っていた。




できる前に入ったらいいよ、と促された風呂に入って気づく。





体調は悪くなさそうだけど、なんかいつもと違う……?





もしかして病院でなにか言われたんだろうかと心配になって湯船に浸かるのもほどほどに上がってキッチンに直行する。







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