好 き の 内 側 を 見 せ て 。

08






送別会に出るから、と那加のことを送った土曜の夜。なぜ仕事終わりの金曜の夜ではなくてわざわざ休みの日の土曜の夜なのか、それを尋ねると主役の希望だから仕方ないとあっさり切られてしまった。




「 帰り迎えに行くから連絡して 」

「 うん、ありがとう 」



絶対にスカートは駄目、そうワガママを言ったらこないだ一緒に見たキレイめのワイドパンツを履いて出かけて行ったのでまあ良しとしよう。今日は例のイケメン後輩の送別会である。



営業部の女子もミーハー精神で参加する奴がいるらしく、昨日はその話題で持ち切りだった。王子と呼ばれているその後輩は確かに整った顔をしていてテレビに出ているアイドルみたいで、なりたいとは思わなくても見惚れる顔立ちであることには間違いない。



彼女が飲み会に行くのと、
奥さんが飲み会に行くのと、
なんで気持ちの差があるのだろうか。
俺はどっちも同じだけ嫌だ。
でも、社会人として出ないわけには行かない立場に那加がいることも分かっている。



「 あーあ、早く終わんないかな 」



思わず呟きが、口から漏れるほどに俺は今不安が募っている。





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