好 き の 内 側 を 見 せ て 。

02








営業部のエースはいつも忙しい。


「 今日遅くなる 」


昼休み、携帯に短いメッセージ。
飲み会ではなくてただの残業なんだろうなと思わせるのは無駄な言い訳がないところ。接待のときにはいつも「 ごめん 」の一言が入っているのを私は見逃してはいないから。




そのメッセージに返信をして、ランチを食べようと先輩とエレベーターへ乗り込む。




ちょっと待ったとそのエレベーターに乗り込んできたのは営業部のエースの彼とその上司。ちなみにその上司と私が今一緒にいる先輩は社内恋愛で結ばれたれっきとした夫婦である。もちろん同姓の。



「 御影くん、今日もイケメンね! 」

「 おいおい、亭主を前にそれ言うか? 」

「 だって御影くんかっこいいもん 」



ね、那加ちゃん?と私に同意を求められても、
そうですね、と微笑むしかできない。



「 藤咲は俺みたいな紳士がいいよな? 」

「 は、あんたが紳士? 」

「 なあー、藤咲? 」



だから私に話を振らないでほしい。黙ってにこやかに話を聞いている御影さんは正直怖いから。







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