覇王~Blue Moonstone ~ 第二部 【完】

祭 /姉弟(キョウダイ)





「あ~ひさしぶりに単車出そうかな」



みんなで翡翠荘に行く為に
たかちゃんが用意してくれた車に
乗り込もうとした時
美穂さんがぼそりと言った



「英悟ねぇちゃん、単車乗れんの?」


「あたりまえじゃない?」



それを大河が聞き逃すはずもなく…




「単車あんの?」


「あるわよ?あたしのと英悟のと
 車庫にあるはずよ」


「おお、見せて見せてっ」




車庫にあったのは2台ともCB400
美穂さんのは綺麗な赤で
英悟のはシルバー



「おお、乗りてぇ」




単車を見て血が騒ぐのか
うれしそうな顔で単車に見入る



「あたし、これで行くわ」




美穂さんはそう言いながら
軽くエンジンをふかす



「乗りたいんだったら…
 英悟のに乗ってけば?」


「マジで?
 ねえちゃん、一回エンジン切って?」


「なんでだ?」


「あ?英悟に借りていいか聞くんだ
 エンジン音でねえちゃんいるのばれたら
 サプライズできねぇじゃんよ」




大河はそう言いながら携帯を操る



「よし、英悟いいってよ」



タスクくんがキーを取って来てくれて
大河はご満悦だ



アタシも…単車がいい…

美穂さんを見つめていると
ん?と片目を吊り上げる

まるでアタシの言いたい事を
わかってくれてるみたい

うん…と頷くとニカッ--と笑って



「あたしはいいよ?」




暁人を見た




『暁人ぉ~』


「しょうがねぇなぁ…」


『やたッ』




暁人の気が変わらない内に
そそくさと美穂さんの後ろに飛び乗った



『じゃ…たかちゃん、行って来るね』


「ああ…」



たかちゃんは頭をやさしく撫でてくれる



「おじさん、行って来る」


「ああ…」



たかちゃんはアタシの時と同じ様に
片手を挙げたけど…躊躇して
手を宙に彷徨わせてる

だからその手を取って
美穂さんの頭の上に置いた


たかちゃんは苦笑して…



「行って来い 美穂」



少し乱暴に美穂さんの頭をゴシゴシとした



「ああ…いってきます」



美穂さんはたかちゃんを見て微笑むと
アクセルをまわした


後ろから大河と慎が英悟の単車で
追いかけて来てて…


「みぃちゃん、しっかり捕まって?
 あいつ等には負けないから」

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