覇王~Blue Moonstone ~ 第二部 【完】

 

少年には親友と呼べる友がいた

いつも一緒だった


初めてケンかをしたのも

初めて煙草を口にしたのも

初めて単車を手に入れたのも


いつも一緒だった…


彼女と結婚するんだと報告した時


「お前等の子供の名前は
 俺がつけるからなッ」

親友は誰よりも喜んではしゃいでいた




少年が覚せい剤中毒になってからは

親友を避けるようになった

落ちた自分を見られたくないから

自分の様になって欲しくないから


それでも親友はときおり現れ

少年を連れ帰ろうとした


その度に薬を少年達に売るヤクザに

追い払われる

殴られ蹴られても、少年に手を差し出す


体中傷だらけでそれでも

訴える様に少年を見る目が悲しかった


「もう来るな」


そんな事を口走るのも

親友を傷つけたくないから



「もうお前の顔なんて見たくねぇんだよ」



嘘だった…


親友が自分を待っててくれている事が

少年の支えだった


でも、聞いてしまった

ヤクザが親友をも

貶めようとしているのを


その時、少年は思った

もう…いい…と


親友に同じ思いをさせたくない


自分が消えようと、そう決心した

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