覇王~Blue Moonstone ~ 第二部 【完】

抗争 /終焉



『ミノル…』


窓を開けて何か喚いているけど

聞き取れない



RRRRRRR


[みぃかッ?
 ミノルが逃げたッ]


昂…



『ここに来た…』



[マジかッ?暁人達はッ?]



『ん…今英悟達とここの総長と
 ケリ付けに行ってる』


[お前はッ?大丈夫なのかッ]


『うん…平気…
 後は英悟達を待ってるだけ…』


[そうか…あと…ミノルだな…
すぐに向う…持ちこたえろよ?
 アイツ…追い詰められて
 なにするかわかんねぇッ…]


『うん…平気…』



昂の声と今の状況…


まるで現実じゃないみたい


すべてがスローモーションみたいに…


よく映画である回想シーンみたいに見える




ミノルは見上げるような

大きなダンプで

アタシ達の中央まで来て

喚き散らしている


もしかして…

あの日から薬漬けだったのかもしれない


もう聞き取れないほど

呂律が回らない


ダンプの窓から見下ろしてるその顔は

血色が悪く唇が紫色をして

目はひどく落ち込んでクマが出来てる


ほんの少し前に

会った時とはまるで別人だった



喚き散らし奇妙な笑い声をあげて

ミノルは左手を窓から出した


その腕にははっきりとわかる注射痕


そしてその手が持つのは…



『みんなッ 離れてッ…』



アタシの声に反応してくれたみんな



ダンプの周りから走って離れる



ミノルは手に持つ火炎瓶に火をつけて

目標を定める事もなく投げる


10個位は投げただろうか…


自作の火炎瓶…


ただのジュースの瓶にガソリンを入れて

布で封をしただけの…


それをこんだけの数を作った

ミノルの精神状態…


初めてミノルを哀れんだ…



また運転手にピストルを突きつけ

ダンプを動かす


工場の中に突進して中央より

少し奥にある機械に衝突して

ダンプは止まった

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