覇王~Blue Moonstone ~ 第四部【完】

終わる事 /ケジメ




「これより引退式を行う」



暁人の凛とした声が響く



走りを終えて港に戻り

3年生は少しだけ名残惜しそうに

単車を降りた


しばらくはみんな

無言でその場に立っていた


走り終えて熱くなったマフラーが

カンカンと鳴るのをただ聞いてた



「悔いは…ねぇな」


「ああ…いい時代(トキ)を過ごした」


「そうだな…」



そんな3年生の声



そんな中、暁人の声が響いた



「ハイッ」



一斉にみんなが動き出す中

バンッと大和くんが

自分の顔を叩いた



「行こうぜ」


「ああ…」



淋しさで流れ出しそうな涙を拭って

港へと駆け込んだ


みんな、もう整列している



「みぃちゃん、ほら…」



隼人に特攻服を差し出されて

バサッと羽織る



「まだ我慢だよ」



そう言われたけど

止まらない涙


傍に置かれた机の上には

黒いビロードの張られたトレー


そこには覇王OBの証のドッグタグ


これを胸に掛ける時

みんなは現役からOBへと変わるんだ



ゴシゴシと袖で擦って

顔を上げた



最前列に一列に並ぶ3年生達

やさしい目で迎えられて

暁人の斜め後ろに立った

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