社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)【完結】




親子丼を食べ満足しお母さんと会話をし帰る支度をしていると、お母さんが私に紙袋を渡してきた。





「この前渡し忘れてたから」

「一体なにが入ってるの?」

「行平鍋」





お鍋くらいならマンションにあるのに。





「お母さんが嫁入り道具としてお祖母ちゃんから譲り受けた行平鍋」


「え、お祖母ちゃんから?そんな大切なお鍋を私に渡しちゃってお母さんはいいの…??」





譲り受けたって事は、年期と同じくらいお母さんの思い出も詰まった行平鍋なんだと思う。





「だから大事に使いなさいよ」

「うん」





お母さんも玄関を出て、私に手を振る。


出なくていいって言ったのに。


お母さん、本当にありがとう――…






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