社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)【完結】




きっとあの婚約者さん――、初瀬さんならこんな風に泣いたりはしないんだろう。


靴も綺麗に脱げるし、拓斗さんの横を堂々と歩く事ができる。


拓斗さんと初瀬さんはお似合いで、拓斗さんと私は全くお似合いではない。


拓斗さんが私に好意を抱いてくれない理由はたくさんだ。





「うぅぅぅうう」





それでも諦めたくないって言ったらもっともっともっと拓斗さんは私に呆れるはずで、もっともっともっと私を嫌いになる。


だとしても…





「ぅぅう、おぇ」





恋って凄いね。


こんなに変えるなんて…


拓斗さんを好きになる前の私なら確実に、拓斗さんを諦める方が簡単な選択だったと思う。


好きでもないのに敢えて離れないなんて選択はなかったと思う。



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