社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)【完結】




「ぎ、ぎぼっ、悪い…」





泣きすぎた所為か吐き気に襲われた私は床を這い蹲うような体勢でトイレに駆け込んだ。


夜ご飯を食べていないから胃から出てくるのは胃液だけ。





「うっ」





今の私はどんな顔をしているんだろう。


これから拓斗さんが帰ってくるかもしれないのに、こんな泣き面でオエオエした後に、夜ご飯の準備なんて出来ないよ。





「うあぁ…」





今すぐ立ち上がって顔を綺麗に洗ってから、ちゃんと笑顔で拓斗さんにおかえりなさいを言いたいのに。


なかなか身体は動こうとはしない。


それに伝染されたように頭も。


それはまるで拓斗さんに会いたくない!と心の底で大きく叫んでいるみたいに――…






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