社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)【完結】




‘早く’か…


早くしたいと思う俺も遅くしたいと思う俺もいる。


俺がそんな気持ちなのは今から会う優子ちゃんからで。





「乗ります」





エレベーターに乗り込むと胸ポケットの中から携帯を取り出す。


‘優子ちゃん’


このボタンを押せば優子ちゃんのしおらしい声が聞ける。


そう考えるだけで嬉しくなり、頬を緩め優子ちゃんの番号を人指し指でなぞる俺はかなりの重症だと思う。





「ん、んんっ」





わざと大きな咳払いし天井を見上げる。


ああ、やばい。


優子ちゃんを想い続けたって意味がないという事実を知ったのはつい最近のこと。


それでも俺はやめられない。


俺が優子を想う事はどうしてもやめられないんだ…



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