木蓮ひらり

おたんこなす /3

子どもたちの親が来て、あたしたちは解放された。

木蓮は手を洗いに行き、買い物を終えたママが戻って来て、引き上げということになった。



帰りはヒデちゃんと杉本くんもうちの車に同乗した。

ママが中落ちでネギトロ丼を作ってご馳走すると言ったからだ。

うちへ寄るとS市へは遠回りになるんだけれど、ヒデちゃんも杉本くんも喜んで車に乗った。



ヒデちゃんが助手席に乗りたがったので、あたしと木蓮と杉本くんが後ろに座ることになった。


杉本くんが左のドアから乗り込んだから、あたしは右のドアから乗ろうとして、気づいた。


木蓮を杉本くんの隣に座らせるべきなのだ。


木蓮と杉本くんの距離を近づける。


そのためにはヒデちゃんが助手席に行く必要があった。


あたしが助手席に座ったら、木蓮は男の子二人と共に狭い軽自動車の後部座席に押し込められることになり、きっと緊張で固まってしまうだろう。


ヒデちゃんが助手席を選んだのは木蓮をリラックスさせつつ杉本くんに近づけるための作戦かも知れないと、あたしは思った。


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