木蓮ひらり

蕾 /2

せっかくの日曜日なのに、曖昧な空模様だ。


午前中は薄く曇って、お昼過ぎには降り出した。


夕方、雨が止んだから、あたしはコンビニへ出かけた。


そこで雑誌のコーナーを見ているときに、木蓮がふわりと現れたのだった。



木蓮はブルーグレーの柔らかそうなワンピースに白いダブルガーゼの半袖ブラウスの前を開けて、羽衣のように重ねていた。


霧を纏ったようにしっとりとした風情だ。


目が合うと木蓮は微笑んで、あたしたちはどちらからともなく近づいた。



「今、帰り?」

「うん」

「雨、大丈夫だった?」

「傘、持ってたから」

「帰りは止んで良かったね」

「また降ってるよ」

「ほんと?」


外を見ると、薄く西日が差した空に細かな雨粒がちらちらと光っている。


「傘、持って来なかった。もう降らないと思って」


あたしがそう言うと、木蓮は「うちに来る?」と言った。


コンビニからは、うちよりも木蓮の家の方がだいぶ近い。


あたしは木蓮の家に寄って傘を借りることにした。


雑誌とお菓子を買って、店を出る。


あたしたちは相合い傘でムーランルージュを目指して歩いた。


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