木蓮ひらり

冬凪 /1

冬の昼休みの教室は人口過密で騒がしい。

体育会系の男子たちがストーブを囲んでゲラゲラ笑っている。

威勢のいい数人の女子はストーブ男子組の隙間に入り込んでいかにもフランクな間柄という顔で一緒になってはしゃいでいる。

おとなしい子たちはストーブから遠い席にいて、もくもくとお弁当を食べたり、机に突っ伏していたり、雑誌を見ながらストーブ組をちらりと見やったりしている。


「なんかここ澱んでね?」


購買部でパンを買って教室に戻ってきたサエとエリナが、むっとする人いきれに眉をひそめた。


「コモンホール空いてたよ。あっち行こうよ」


サエが購買部横の談話スペースでの昼食を提案した。


「木蓮、行こう」


窓の外、僅かに葉を残す銀杏を見ていた木蓮は、振り返ってお弁当の包みを抱えた。


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