木蓮ひらり

「木蓮こそ、杉本くんと会わないの?クリスマス」

「うん」

「あたしに遠慮してない?」

「ううん……元からそういうのじゃないから」


木蓮は少し目を伏せて応える。

近頃、木蓮がまたうつむきがちになったことに、あたしは気がついている。


「杉本くんは、会いたいんじゃない?」


あたしは訊いた。

木蓮は何も言わない。

沈黙が続いてあたしが返事をあきらめたとき、木蓮は小さな声で言った。



「……もう会わないと思う」



あたしは木蓮の顔を見た。

木蓮は無表情のまま、数メートル先の地面を見据えて歩いている。

あたしは一瞬立ち止まって、すぐに後を追った。


「なんで?」


木蓮は黙ったまま、ゆっくりと歩き続ける。


「なんで?なんでよ?」


あたしは無遠慮を自覚しながら食い下がった。


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