木蓮ひらり

約束 /3

クリスマスイブ、エリナは彼氏と映画を観に行くことになったらしい。

サエはお母さんが勤めているホテル旅館でアルバイトをすると言っていた。

一応バイト禁止の学校だから、先生には内緒だ。

あたしの場合は家業の手伝いだから、バイト代はお駄賃ということで、校則には触れない。

そのお駄賃で革の手袋を買った。

ヒデちゃんへのクリスマスプレゼントだ。

帰省前に届くように早めに郵送したら、二十日に着いてしまった。

ヒデちゃんはお礼の電話をくれた。


「サイズはぴったりだよ。柔らかくて気持ちいい」

「良かった!」

「おれもトモへのプレゼント用意してあるんだけど、それ、康に届けてもらおうと思って」

「杉本くんに?」


杉本くんの家族がクリスマス前後の連休を利用してあたしたちの街に湯治に来るらしい。

杉本くんは二十四日に寮を出て、この街のホテルで家族と合流する。

そして次の日に皆で実家に帰るのだそうだ。


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