木蓮ひらり

波瀾 /1

二十四日の午後、白いものは微かにちらついて、すぐに止んだ。

ホワイトクリスマスは望んでいない。

雪が積もると、帰省するヒデちゃんやこの街にやってくる杉本くんが大変になる。

ヒデちゃんと杉本くんからメールが届いていた。

ヒデちゃんは二時の特急で帰ったらしい。

杉本くんは三時のバスでこちらに向かうということだった。

四時までには、かずさに来るだろう。

木蓮は、おととい学校で話したときには「五時頃に行くね」と言っていた。

杉本くんと木蓮は、すれ違いになるかもしれない。

あたしは木蓮に「早めにおいでよ」とメールしたい欲望と戦っている。

それをしたら木蓮を騙して杉本くんに会わせることになるし、だからといって「杉本くんが来るよ」と言うと木蓮は逃げてしまいそうだ。

だから黙っている。

黙っているだけなら罪にはならないと自分に言い訳をして、ふたりが出会えるようにと祈っている。


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