木蓮ひらり

冬構 /1

中途半端に白い朝だった。

屋根瓦や街路樹や駐車場の車が、半透明の霜に覆われていた。

地下に温泉の通った道路だけが霜を免れ、黒々としたアスファルトを剥き出しにして、この歓楽街の範囲を示している。

うちの前の黒い道は支流をあちらこちらに広げ、受け入れながら、南北に伸びている。

道の南側は下り坂の向こう側に消えて、端が見えない。

北側の端はバス通りの手前で白く霞んで、その先の道の冷たさを知らせている。


木蓮はあたしのベッドで眠りこけていた。

あたしはベッドの側に布団を敷いて横になっていたけれど、あまり眠れず、妙に早く目が覚めて、明けてゆく窓の外を見ていた。


細く開けていたカーテンを閉めて、ケータイと手袋を手に取り、そっと自室を出る。


東向きのリビングには朝の光が広がっている。

あたしはヒーターとこたつのスイッチを入れ、座って、赤い手袋を着けてみた。

ヒデちゃんからのクリスマスプレゼントだ。



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