木蓮ひらり

氷霜 /1

知らないひとが見たら何事もなかったかのように、木蓮は淡々と学校生活を送った。

以前と変わらず真面目な様子で、こう言っては何だけど、お父さんのことで振り回されての遅刻、欠席がなくなったこともあり、生徒としては申し分がない。

あたしもサエもエリナも、木蓮の家庭のことには敢えて触れなかった。

木蓮の気を紛らわせるように、授業やテレビの話をして過ごした。

木蓮は良くも悪くも以前と変わらない様子だったから、あたしたちは木蓮の悲しみはもう癒えたような気がしていた。

もしかしたら、もともとあたしたちが思っていたほど辛くないのかもしれない、とも。

そうして二月に入る頃、木蓮が倒れた。





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