木蓮ひらり

木蓮 /3

ちょうどいい時間になったから、あたしたちはこの大きな公園の、来た時とは違う出入り口へ向かった。

こっちの方が目的地であるケーキ屋に近いから、自然だ。

三角屋根の集会所を周って南側に出ると、出口へ向かう小道の先に高い木が二本並び立っている。

木には無数の白い花がついていて、遠目だと小鳥がたくさん留まっているようにも見える。


「……ハクモクレン……」


木蓮が呟く。

あたしたちはゆっくりと歩いて木の下まで来ると、立ち止まって見上げた。


「この前来た時には全然咲いてなかったんだよ」


近くで見るとハクモクレンの花は大きくて、花びらが厚くて、思っていたより力強い感じだ。

数えきれないほどの白い花が、青い空を背景に上向きに開いている。

その景色は美しいだけじゃなくて、物凄い迫力があって、なんだか目がくらみそうだ。

あたしの肩が、木蓮の腕に触れる。


「……綺麗ね……」


少しの間、二人佇んで、花の群れを見ていた。


0
  • しおりをはさむ
  • 215
  • 3
/ 365ページ
このページを編集する