木蓮ひらり

ジュース /1


旅行後第一日目の学校は、だるい。

席順も掲示物も、教室の後ろの黒板に書かれた小さな落書きでさえ、旅行前とまるで同じだ。


日常なんて嫌い。


早く放課後にならないかなと思いながら、机の上に置いた腕に頬をのせてぼんやりしていた。



木蓮はあたしの斜め前に立って、窓の外を見ている。


胸まで伸びた真っ直ぐな髪がさらさらと風に吹かれて、涼しげな横顔が見える。


「木蓮、何見てるのー?」

「花壇。ひまわりの本葉が増えてる」

「今日は園芸部、休みだよね」

「うん。活動日は木曜だけだもん。水やり当番は来週だし」

「じゃあホームルーム終わったらすぐに行こう。今日はS高の近くで待ち合わせだから」

「行くのは、あたしたち二人だけ?」

「そう」


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