木蓮ひらり

ブルームーン /3

ヒデちゃんは勘がいい。

杉本くんの気持ちを推し量り、木蓮の少し難しい性分にも気がついている。

だからあたしの想いを知らないはずはないんだ。

だってあたしはヒデちゃんを何度もデートに誘っている。

誕生日のプレゼントもあげた。

自分で言うのもなんだけど、行動がストレートでわかりやすい人間だ。

知ってて知らないふりをするなんてひどい。

家庭の事情を出してくるなんてずるい。

まだ高校生なのに、あんな理由で恋愛しないなんて不自然だ。

あたしがヒデちゃんのタイプじゃないならそう言えばいいんだ。

あんな風にしてあたしを友だちの位置から動けないようにするなんて残酷だ。



あたしは意気地なしの自分については考えないようにして、心の中で「ヒデちゃんのばーかばーか」と毒づきながら帰りのバスに揺られた。



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