アルキメデスの誘惑

夏の予感 /御曹司とモデル





わたしは予言者ではないけれど、何かが起こりそうな予感は当たっていた。


その日の放課後、わたしは2年A組の観音寺ハルノブに捕まった。


観音寺晴信 (カンオンジ ハルノブ)


日本有数の鉄鋼メーカーの御曹司で、連結するグループ企業までいれたらどんだけデカイか、わたしじゃ想像つかない。


本来であれば、間違ってもわたしたちが通うような私立高校にいるはずのないスーパーお坊ちゃんなんだけど、名門私立中学に通っていた当時14歳。


ハルノブは見てしまった。


サラサラロングヘアをなびかせながら、挑発的な眼差しを向ける雑誌のカバーモデル。


マユミだ。


ハルノブはたった1枚のショットでマユミにノックアウトされた。


言い方は古いけど、もうメロメロとしかいいようがない。


エスカレーター式のセレブリティ校に別れを告げ、マユミを追って修英館高校を受験。


今日に至る。


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