アルキメデスの誘惑

化学準備室 /魔法の言葉



「コイ、シテイナイ、コイ、シテイナイ」


今まで最高レベルの機械音声だ。


アルキメデスは、じりじりとわたしから後退。


うしろには火のついたアルコールランプがあって、ガラスの実験器具が並んでいるから、わたしは慌てる。


「ちょっと、危ないよ」


「コイ、シテ、イナイ」


絶対、キイテ、イナイ……


頭から煙が出てきそうな感じだと、本気で焦りだしたわたしのまえでゆらいだ身体。


倒れる!


「アルキメデス!」


反応したわたしはハイジャンパー。


パイプ椅子から飛び上がり、離れていくアルキメデスの腕を、がしっりと掴んだ。


そのまま自分の身体に引付ける。


細いバーのような身体があっという間に、わたしの方に倒れてきた。



0
  • しおりをはさむ
  • 1809
  • 5904
/ 369ページ
このページを編集する