好きには、なれない 【完】

天と地 /白銀と漆黒



白銀美形にすっかり見惚れていると、


「なにが、ようこそだ」


漆黒の美形が、険しい顔で舌打した。


そして、わたしに衝撃の事実を告げる。


「おい、霊魂44444号、なにを惚けている。オマエを地獄に落としたマヌケな神だぞ」


えっ、なんですって?!


驚きに目を見張るわたしの前で、


「ヘラヘラ笑っている場合かっ!」


黒装束の青年はますます不機嫌に、白装束の青年の艶やかな髪を引っ張った。


「やめて、乱れる」


髪を押さえて騒ぐ白銀美形の頭を「うるさい」と、今度はボコッ。


漆黒の美形は躊躇(ちゅうちょ)なく拳で殴り、


「いいか、霊魂44444号。ここでの話は他言無用。我らが語ること、決して漏らしてはならぬ。ここで見たこと知り得たこと、その胸の内に留めよ。禁を破り漏洩(ろうえい)すれば天罰、その舌を抜く!」


すごい迫力。


わたしは条件反射でブンブンと首を縦に振った。


真偽を問うように、漆黒の瞳に覗きこまれること数秒。


「よし」


瞳が和らいだ。


「オマエは悪くないのだ。許せ」


そのとたん ――


究極美形から色艶が流出。


すさまじく淫靡(いんび)で官能的な光が目にまぶしい。


色とりどりの花々に囲まれた悦楽の園で、


ノボセ気味のわたしは、衝撃の事実の詳細を知った。






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