好きには、なれない 【完】

合縁奇縁 /散歩道



「エリザベス、行くよ」


日曜の昼下がり。


わたしはリードを手にして、エリザベスと散歩に出た。


いつもなら休日の散歩は、自宅から20分ほど歩いた場所にある多目的公園に行き、併設されたドッグランで自由に遊ばせるのだけど。


今日は、


「ごめんね、エリザベス」


ご近所をグルリと回る30分コースに変更した。


なぜなら2週間後の学力テストに備え、わたしは勉強しなければならないから。


こんなことになったのは、すべて基樹のせい。


―― あのとき


『結局、基樹も瞳とキスしたいだけじゃないか』


『ち、ちがう。そうじゃなくて』


焦った基樹は、学力テストの「1位争い」にわたしを巻き込んだ挙句、腹黒い光の口車にいとも簡単に乗せられてしまった。



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