好きには、なれない 【完】

天空の時計 /憧れの人



わたしが冬也くんにつかまったのは、ギクシャクしてから2週間後の放課後。


冬也くんからの電話を、3回連続で気づかないフリをしたあとだった。


授業が終わり、みんなとの下校時間をずらす目的で、わたしは終礼後、ここ最近通いつめている図書室へ。


適当に選んだ本を手に取り、窓際の席へ腰を下ろした。


ここからは、校門がよく見える。


帰宅する生徒たちのなかに、足早に帰る基樹を見つけ、女の子数人に囲まれて歩く光を見つけた。


それからしばらしくして、一緒に帰る、桃ちゃん、小百合さん、瑞希さんの姿。


今日は委員会がある日なので、委員をつとめている村田君と佐々木君は、もう少し遅い時間になるだろうな。


まだ、冬也くんの姿は見えない。


こんなことをしても何の意味もないけれど、わたしはまだ受け入れがたい現実から目を背けていた。


永井先輩の孫とか、本当に笑えない。




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