好きには、なれない 【完】

天と地 /地獄の門



気がついたら、地獄の門前に立っていた。


超~~~デカイ。


どうしてここが「地獄」とわかるのか、というと。


一目瞭然。


門前に『 これより地獄 』と、はっきり書いてあるから。


わかりやすい。


ところで、だ。


わたし、なぜ地獄行き?


いつのまに、死人あつかいになってるの?


数分前はたしか、月末締めの報告書を握り締め、上司と部長室に急いでいたはずなんだけどな。


自分の死に納得できない。


さらには、どうして地獄にいるのか。


合点(がてん)がいかない。


わたしの人生、可もなく不可もなく。


閻魔(えんま)様にお仕置きされるほど怠惰な人生はおくっていないし、神様に目をつけられるような悪事も働いていない。


じゃあ、なんで?


いろいろ考えても、死後の世界はわからない。


とりあえず死者の魂は、全部ここを通るシステムなのかな。


通過儀礼的な。




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