好きには、なれない 【完】



爽やかな朝。


これ以上の競合い、云い合いは疲れるので、


「もう、その話しは終わり」


基樹を無視して校舎へ急ぐ。


「おい、瞳、聞いてるのか」


高等部の校舎に到着し、ポーチに足をかけてもまだ、


「瞳、待てよ。俺が……」


と話しつづける基樹に、もう話しかけないでと、振り向こうとしたときだった。


「瞳、おはよ」


支柱から姿を見せた男子に、わたしの口元が綻(ほころ)んだ。


「光、おはよう」


相馬 光 (ソウマ ヒカル)


基樹の藤原家と肩を並べる相馬家の御曹子で、基樹と同じくわたしとは幼なじみの関係。


ただし、基樹と比べ、


「瞳、高等部のブルーのネクタイが似合ってるね」


「ありがとう。光も似合ってるわ」


その関係は、いたって良好。


「瞳を待ってたんだ」


「あら、そうなの」


「明日のパーティだけど、僕にエスコートさせてくれる?」


「もちろん、うれしいわ」


とっても良好。


洗練された優雅な物腰。


甘いマスクに甘い声。


「今日もキレイだね、瞳」


自他ともに認める、最高ランクのチャラ男だ。





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