好きには、なれない 【完】

花に嵐 /約束の日



波乱に満ちたガーデンパーティから、


1週間後――




わたしは春晴学院に復帰し、みんなのサポートのおかげもあって、事故前と変わらない学院生活を順調に取り戻しつつあった。


しかしながら、ここにきて大きく変化したことがある。


それは二階堂家の令嬢である二階堂詩織と、その取り巻きの御令嬢たち。


選民意識の塊で、特権階級の威光をこれでもかと振りかざしていたのに、わたしが復学したころにはすっかり影が薄くなっていた。


それどころか、わたしが教室に入るたび、露骨にビクビクし、


「ねえ、瞳~ 冬也~」


光がやってくると、さらに激しくビクビクする。


挙動不審もいいところだ。


病室で「悪いようにはしない」と云っていた光の言葉を思い出し、何か良からぬことをしたのかと問いただしても、光は「さあね」とはぐらかすだけ。


唯一、教えてくれたのは、


「しいて云えば僕の家、二階堂家の建築部門との取引をやめて、今後は永井家に仕事をお願いするようになったんだ。ほら今度、新しいビルが駅前に建設されるでしょ。そうしたら、テナントに入るお店とかも永井家と取引するようになっちゃって」


白々しい。


光が裏で手を回しているのは、明白だった。






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