七色セツナ。1【完】

第1章 はじめまして。 /side 朱羽







side 朱羽



花凛の左隣にいるのは、いつもオレ。


定位置。


それでいい。


・・・それがいい。


今は、それでいい。


それで、充分だ。


オレの気持ちを口にするのは、まだ早い。


「朱羽も、お腹減った?」


顔を見ていれば分かる。


こいつは、誰に対しても同じ態度だ。


”クラスメイト”


それ以上でも、それ以下でもない。


そして、俺の位置は


”となりの席に座っている人”


そんな感じかも知れない。


今の俺では、こいつの気持ちを
掴んでおく事ができない。


「花凛ちゃんも、南店でいいよね?」


下駄箱まで来て、恭弥が花凛に近付く。


靴を履いたのを確認すると、さり気なく手を引いている。


0
  • しおりをはさむ
  • 122
  • 3431
/ 367ページ
このページを編集する