七色セツナ。1【完】

第8章 嫉妬 /side 蒼夜







side 蒼夜



「花凛、こっちに来い」


言い方は、ぶっきらぼうだが
俺は、恵衣のこんな穏やかな声を聞いた事がない。


恵衣は、自分の横に花凛ちゃんを座らせると
誰も見たことのない、困った顔をした。


「花凛……

悪かったな」


は?


ーーー恵衣が謝った……


ウソだろ?


絶対君主の恵衣が……


あまりの衝撃に、
タバコの灰がポロっと落ちた。


「何がですか?」


「オマエに、嫌な思いをさせた……」


「嫌な思いなんてしてませんよ?

むしろ、私がお客様に迷惑を……」


「・・・花凛、右手を出せ」


花凛ちゃんが、右手をそろそろと差し出すと
それを恵衣が優しく掴み、右手の甲を見る。


「チッ……

赤くなってやがる……」


「大した事ないですよ?」



するとーーー



恵衣が、その手にキスを落としたーー


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