七色セツナ。1【完】

第9章 笑えない理由(ワケ) /「大丈夫」




朱羽は、黙って聞いていた。


「お金もアシもないから、会うのは
もっぱら駅で。

たわいもない話をするだけ。

でも、それでも楽しかった。

高校に入って少しした時、遊び方が変わったの」


「変わった?」


「英二の家は、大工で。

そこに、住み込みの人が2人いたの。

一人は17歳。

もう一人は、19歳。

その19歳の人が、車を出してくれて、
夜に私を迎えに来て、
4人でドライブと言っては
遊ぶようになった。」


「………」


「17の人……強さんが言った。」


「花凛ちゃん、明るくていいな。

英二が羨ましいよ」


「でしょ?」



「単純に、嬉しかった。

でも、ある日……英二から電話が来て

”別れたことにして欲しい”って言われたの」


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